よくある質問
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治験は誰でも参加できるのでしょうか?
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治験では、病気とその状態によって誰でも参加できるものではありません。日常的な診療と共に治験という手段があると考えてください。
その状況に応じて治験に参加できる場合は、主治医の説明に加えて臨床研究コーディネーター(CRC)が、治験の補足説明をさせていただきます。
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治験に参加するメリットは?また、デメリットは?
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有利な点
(1)治療の選択肢が増える
(2)現在の標準的治療と同程度、もしくはより良い効果が得られる可能性がある
(3)ご自身で治療を選択し生き方を積極的に決める機会になる
(4)治験や臨床試験にご参加いただくことは、今後の治療を受ける患者さんのためにもなり治療の進歩に貢献する不利な点
(1)予測しない副作用がみられる可能性がある
(2)新しい治療法が、かならずしも標準的治療と同等又は優れているというわけではない
(3)診察や検査のための来院回数が多くなる可能性がある
(4)併用してはいけない薬や代替療法を禁止されるなど、治験には守らなくてはならない細かな取り決めがある有利な点と不利な点の(2)を比較すると、相反するような考えですが、これが治験の大きな特徴と言えます。
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治験に参加した場合、プライバシーは守られるのか?
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はい、守られます。
一般診療も、もちろんのことですが、患者さんの個人情報は法律で守られています。
特に治験を実施する場合は、薬事法という法律において薬の評価が正しく行われているか、治験がきちんと進められているかを調べるために、治験を依頼している製薬会社、当院の治験審査委員会や厚生労働省などの関係者が、カルテや検査結果等を見ることがあります。
しかしながら、これらの関係者は患者さんの情報に関して秘密を守る義務があります。
また、患者さんの治験で得られた情報に関しては、氏名などをふせて個人が特定できないように匿名化をしています。
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副作用ってあるんですか?
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治験は、国(厚生労働省)が定めた「医薬品の臨床試験の実施の基準」(GCP)に基づいて行われております。また、参加される方の安全を第一に最優先しているので、過去の事例からも重篤な副作用がでたことはありません。
治験実施機関にて、あらかじめ予想される効果や副作用等の説明を十分に受けた上で参加となりますので、どんなに些細な事でも、納得のいくまで説明を受け、参加するかどうかを決めることができます。
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外出は可能ですか?
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一度入所頂くと退所まで外出することはできません。
自由時間は基本的に実施施設の中で過ごして頂きます。退屈にならないように本やテレビなどの娯楽の用意はされておりますが、パソコンやスマホなどの持ち込みもOKです。
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自分の都合に合わせて参加日程を変更できますか?
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試験により日程パターンが複数ある場合がございますが、予約頂いてからの変更はできません。
指定の場所と日時に、参加希望者全員が同じ条件の元、実施されます。
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事前検診を近所の病院で受けることはできますか?
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できません。
指定の場所と日時に、参加希望者全員が同じ条件の元、実施されます。
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複数の治験に同時参加することはできますか?
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できません。
試験によって異なりますが、基本的に治験ではより正確な数値を測るため、前回の治験終了日より約3~4ヵ月の休薬期間を取って頂きます。
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会社の健康診断の結果でも大丈夫ですか?
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治験に参加していただくには、試験ごとに毎回事前検診を受診して頂きます。よって健康診断の結果からでは判断出来かねます。
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治験を断わったらどうなる?
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今後の治療において何らかの不利益、不都合を受けることは一切ありませんので、ご安心ください。
治験に参加するかどうかはご本人の自由意思によります。
また、治験に参加することを一旦同意した後でも、いつでも自由にその同意を撤回することができますし、その場合でも不利益、不都合は受けません。
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治験と臨床試験の違いは?
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治験とは、医薬品が世間一般に使えるようになるまでの開発段階にあるものです。
新しい医薬品の候補について、その有効性と安全性を確認する目的で治験が実施されます。
このような治験を経て医薬品の承認許可を国(厚生労働省)が行います。
そして、世の中に出た医薬品の更なる有効性や長期的な安全性を確認するために製造販売後臨床試験があります。
このような取り扱いについては、薬事法の中に定められています。
また、国の一般的な承認制度とは別に医師が中心となって進める医師主導型の治験や、市販品の効果・安全性を追及する臨床試験もあります。
ここで得られた結果が日常的診療の根拠となるのです。
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割付けって、なに?無作為化って、なに?
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医薬品の効果を確認する手段としては、「誰かひとりに効いたから良い」というものではありません。
複数のひとを対象に使ってみて、そのうち何人に効果が現れたかを確かめなければなりません。
例えば、臨床試験では「標準的治療をするグループ」と、「新しい治療をするグループ」に分けて実施することがあります。
この場合、各グループを均等に分ける必要があり、その作業を「割付け」といいます。
こういったグループへの割付けは、いくつかの因子、例えば、患者さんの病気の状態や背景などを基に治療効果の評価に影響すると思われる要素をできるだけ同じにするために行われます。
このような割付を「無作為化」といいます。
したがって、患者さんや担当医師が治療法を選ぶのではなく、コンピューターによって適切に振り分けられます。
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治験への参加をすすめられたが、すぐに決めなければならないの?
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よくお考えいただいてから決めてください。
治験の参加に際しては、担当医師などから文書による説明があります。
そして、ご自身の意思にて決定することはもちろんのことですが、説明文書の内容をご家族とも十分に確認、相談してから決めていただきます。
その理由としては、治験の効果や副作用の事、スケジュールに合わせた来院方法の事、医療費の事などをご家族の方にも理解、協力していただく場合があるからです。
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治験薬を飲んで(使って)調子が悪くなったら、どうする?
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先ずは、当院(担当医師など)に連絡をお願いします。
患者さんが体調不良となった場合には、臨機応変に対処できるようにしてあります。
体調不良が発生した時には、その薬との因果関係の有無に関わらず全てを確認して対処する必要がありますので、その際には必ずお申し出ください。
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治験審査委員会って何?
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「治験審査委員会」とは、実施する治験の内容が参加される患者さんの人権や安全性を守れるものかどうか(倫理性の確保)、かつ科学的に十分な方法かどうか(科学性の確認)を審査する病院内に設置されている組織です。
治験審査委員会では、実施しようとする治験が患者さんに著しく不利益が生じるおそれがある場合や、治験の計画に無理があると判断される場合などは、その治験を承認しないことになっています。
一方、委員会にて承認となった場合は、病院長の了承の上、順次実施されることになります。
また、治験審査委員会には、医学、薬学等の専門委員(医師、薬剤師、看護師ら)以外にも事務系の委員や病院と利害関係のない外部委員を含むことが義務づけられています。